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羽幌町の元協力隊にインタビュー〈木内裕也さん〉

毎日の日課は散歩をしながらの鳥の観察だという木内裕也さん。羽幌町の北海道海鳥センターで協力隊を務めた後、現在は羽幌町役場に勤めていらっしゃいます。今回はそんな鳥を愛する木内さんにインタビューさせていただきました。


〈木内裕也さん。羽幌ビオトープでの植樹風景〉



協力隊を務めていた頃について: 期間2017年4月~2020年3月


北海道海鳥センターでの協力隊業務に応募した理由は何でしょうか?

「学生の時に鳥の研究室に入っていました。研究対象はウズラです、卵の方で有名なウズラですね。大学の近く、自転車で一時間くらいのところにある夕張川の河川敷で夏になったら繁殖するんですよ。どれぐらいの数が繁殖しているのかを調べたり、鳴き声を録音して音声解析をしたりしていました。当時は海鳥との関わりはなかったのですが、いろんな鳥のことを調べていて、天売島とか羽幌町の名前は聞いたことがありました。大学を卒業する頃、北海道海鳥センターの求人があるという話を聞いて、鳥に関わる仕事ができるんだったらいいなあと思って、羽幌町の協力隊(北海道海鳥センターでの勤務)に応募した次第です。」


所属と仕事内容を教えてもらえますか?

「所属は町民課でした。北海道海鳥センターは、羽幌町と環境省が合同で管理しているといいましょうか、建物は環境省のもので、運営は羽幌町でやっているようなかたちでして、その担当課が町民課だったので。仕事内容ですが、海鳥にやさしい取り組みをしている町内の事業者さんを応援する取り組みができないかということで、いまシーバードフレンドリー認証ってやっているんですけど、それがまだなかった時で、その立ち上げを行いました。立ち上げに向けて町内の事業者さん、農林水産業の方とか、商工業の方とか、いろんなジャンルの方たち、それから環境省の保護官と一緒に、どんな認証制度にしていくかという会議(シーバードフレンドリー認証制度を一緒に作っていくワーキンググループのようなもの)を、数カ月に一回開いたり。これがメインの仕事としてありました。これに付随してあったのが環境教育やイベントの仕事です。羽幌高校には総合的な学習の時間という自由度の高い授業があるのですが、この時間を使って、高校一年生を対象に、羽幌町の自然環境の調査をやったり、生き物の専門家を呼んで講義してもらったりしていました。そういった授業の年間スケジュールを立てるのも仕事でした。また、羽幌町内で環境にやさしい取り組みをしている事業者の現場、例えば少ない農薬でお米を作っている農家さんのところに町民の方を連れていき、取り組みを紹介するイベントを実施しました。」


仕事で苦労したことはありますか?

「自分は羽幌町の出身ではないため町のことをよく知らず、そのため誰がどんな取り組みをしているのかを調べるのが大変でした。町で仲良くなった人に、こんなことやっている人いませんか?みたいな感じで聞いて回ったり。大々的にやっている人もいれば、あんまり公にはしていないけれど、そして本人は環境にやさしいことをしているという意識がないけれども、実は環境にやさしいことをしている方もいて。そういう方を見つけていったりとか、探していくのが大変でしたね。」


協力隊をやってよかった、この仕事をやってよかったと思うことはありますか?

「認証制度をスタートさせることができたこと、これはよかったなと思っています。これをこの先続けていくにはどうすればよいかといった問題はあると思うのですが、それは後任の三好さんにお任せすることにして。いろんな人の協力があって、例えば行政や地域の事業者さんのような、いろんな分野の人からの『こうした方がいい』『ああした方がいい』といういろんな意見があって、協議会ができたんですよね。」



羽幌町(市街地区)の魅力、そして天売島の魅力: 豊かな自然のあるところ


協力隊の期間が終わり、現在は羽幌町役場職員の木内裕也さん。4年目の今年は天売支所に勤務されています。そんな木内さんが天売島と羽幌町(市街地区)の魅力を話してくれました。


木内さんの思う、羽幌町(市街地区)の魅力を教えてもらえますか?

「羽幌の市街にいたときは、サンセットビーチを奥さんと歩いて、落ちているもの、例えばシーグラスを拾うのが結構楽しかった。羽幌町に来るまで海のないところで生活していたので、浜を歩けるのは、港町ならではでいいなあと思っていました。」

〈写真は、木内さんがはぼろサンセットビーチで見つけたシーグラス。とても綺麗ですね〉


最近の楽しみは何ですか?

「天売島では、毎日のように島の中を歩いて鳥をみています。そういうのが楽しいですね。海鳥もここでしか見れない鳥なのでいいのですが、フットパスを鳥を見ながら歩くのもとても楽しいなと思います。珍しい鳥ですと、これはパークゴルフ場ですが、ヤツガシラを見ました。三吉神社ではルリビタキっていう小さくて綺麗な鳥を見たり。あとベニマシコも。結構いろんな種類の鳥を見ることができます。どこでも見れるは見れるのですが、ふらっと行きやすいところに森があったりして、鳥もふらっと見れる、そんなところがいいなあと思います。」

〈ヤツガシラ: 木内さんが天売島のパークゴルフ場で撮影


〈アオジ: 木内さんが天売島で撮影


〈イソヒヨドリ: 木内さんが天売島で撮影



協力隊を目指す人に向けて


木内さんが協力隊に向いていると思う人は、どんな人ですか?

「協力隊をやっていた時、いろんな事業者の方と話す機会が多くて。なので、例えば鳥にとても詳しいとかよりも、いろんな分野の人たちとコミュニケーションをとれることの方が大事なのではないかと思います。だからといって自分がコミュニケーション能力が高いとは思いませんが、コミュニケーション能力が高い方が色々うまく回していけるのではないでしょうか。」


協力隊を目指す人に一言お願いします!

「自分は鳥を見に行ったりして、羽幌町での生活がとても楽しかった。それで協力隊が終わった後も羽幌に残ることに決めました。協力隊の期間は3年間ですけど、その3年間を楽しく過ごすことができたら、その先もっていうのが出てくると思います。なのでその土地での楽しみを見つけることが大事かなと思います。」

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